インフルエンザの予防接種は流行する前に打っておくことで、インフルエンザに感染しても症状の重症化を防ぐことができます。色々な予防接種がありますが感染の重症化を防ぐためにも事前に打たれることをお勧めします。

インフルエンザ予防接種に使われる発育鶏卵ワクチン

インフルエンザの感染予防対策には、うがいや手洗いを励行する、なるべく人混みに出かけないようにする等に並んで、ワクチンの予防接種が挙げられます。予防接種をしていても、インフルエンザが100%防げるわけではありません。しかし高齢者など重症化するリスクが高い人は、予防接種により健康被害を抑えられます。現在では学校におけるワクチンの集団接種は廃止されていますが、インフルエンザの感染予防対策として効果がないからではありません。
インフルエンザウイルスは生きた細胞の中でしか繁殖できないので、予防接種には通常、発育鶏卵ワクチンが使用されます。発育鶏卵ワクチンは、生きた有精卵の中で培養されたウイルスから製造されます。ワクチンを作るには、しっかりと衛生管理された百万個単位の有精卵が必要になります。この卵を11日ほど孵卵器で温め、ある程度成長させます。次に雑菌が入らないよう注意しながら、殻に穴を開けて注射器でウイルスを注入します。場所は漿尿膜といって、成長の過程で出た老廃物を溜めておくところです。原則として胚や卵黄にウイルスが直接感染することはありません。その後3日ほど温めてウイルスを培養し、再び注射器で漿尿膜の中の液を吸い出します。これを遠心分離機にかけてウイルスを抽出し、ホルマリンなどで不活性化してワクチンの原液を作ります。
発育鶏卵ワクチンは鶏卵を使用するので、卵アレルギーの人は慎重にならざるを得ません。しかし実際には卵の成分がほとんど入っていないため、影響が出ないことも多いと言われています。アレルギーの人でも感染予防対策が必要な場合は、医師と十分に相談した上で、予防接種を受けることを考えても良いでしょう。